裵晙映と申します。
皆様に、まずお伝えしたいことがあります。
私は鍼灸師でいながら、C4のクリエイターでございます。
私たちが目指しているのは、21世紀の世界秩序が大きく変化する中で、新たな文化・経済圏を創造するという、歴史的な挑戦です。
そのビジョンを、まず皆様と共有したいと思います。
① 私たちは「覇権国家なき時代」に生きている
20世紀までの世界は、軍事力や経済力を中心とする「ハード・パワー」によって秩序が築かれてきました。
しかし21世紀に入り、その構造は大きく変化しています。
アメリカを中心とした従来の覇権体制は揺らぎ、世界は次の秩序を模索する「移行期」に入りました。
国際経済学者チャールズ・キンドルバーガー(Charles P. Kindleberger)が提唱した「覇権安定理論」が示すように、既存の覇権国が役割を終え、新たな秩序形成の担い手が現れない時代には、世界は混乱と停滞へ向かいます。
現代は、まさに「キンドルバーガーの罠」が現実となり得る時代です。
一方で歴史を俯瞰すると、世界の重心は確実に西洋から東洋、そして東アジアへと移りつつあります。
これは一時的な流れではなく、歴史の大きな潮流であると私は考えています。
② K-Cultureの成功は偶然ではない
韓国文化の世界的な成功を、一時的なブームと捉える人もいます。
しかし私は、そのようには考えていません。
韓国は、世界がハード・パワーからソフト・パワーの時代へ移行することをいち早く見据え、文化を国家戦略として育成してきました。
K-POP、ドラマ、映画、ゲーム、Webtoon、K-韓医、K-Food、K-Beauty、K-ハンバン、K-人文学、K-醫易同源、K-スタイル、美容産業などの成功は、世界の変化を的確に読み、継続的に投資を重ねてきた結果です。
韓国には、「変化を読み取る力」と「変化を行動へ移す力」があります。
この10年の躍進は、その先見性を証明しています。
③ 韓国単独では乗り越えられない課題がある
一方で、韓国も少子高齢化や人口減少、市場規模の限界といった課題を抱えています。
国内だけで完結する時代は、すでに終わりました。
これから求められるのは、「クロスカルチャー」による新たな経済圏の創造です。
その最も重要なパートナーが、日本です。
日本と韓国は、地理的な近さだけではなく、古代少なくとも約3000年前から歴史、文化、精神性、古典漢字の文字文化、東アジアの東洋哲学など、多くの共通基盤を共有しています。
また、文明史の観点からも、両国は極めて深い結び付きを持っています。
人類の歴史においてそれがなぜ必要なのかを、比較文明学や進化生物学の世界的大家であるジャレド・ダイアモンド(Jared Diamond)教授が明らかにしました。
だからこそ、日韓が協調することには、大きな歴史的意義があります。
④ K-CultureからEast Asia Cultureへ
私は、K-Cultureを韓国だけの文化として終わらせるべきではないと考えています。
韓国が持つ創造力、ゼロから一の創作性(ハングル創製)、世界展開力、スピード感、デジタル文化への適応力。
日本が持つIP創造力、豊かな歴史文化、ブランド力、経済基盤。
この両者が融合したとき、「K-Culture」を超える新たな価値である「East Asia Culture」を世界へ発信できると確信しています。
その文化・経済圏は、東アジアからASEAN、さらに欧米へと広がる可能性を秘めています。
これは単なるビジネスではありません。
新たな文明価値を創造する挑戦です。
⑤ C4は未来を創るプラットフォームである
だからこそ、私はC4を単なる交流会や人脈づくりの場とは考えていません。
C4は、日韓が共に新しい文化・文明圏を築くための、民間主導による実践のプラットフォームです。
私たちは今、歴史の転換点に立っています。
そして、その最初の挑戦者として集まったのが、ここにいる皆様です。
⑥ 日本側メンバーの皆様へ
韓国のイ・ジェホン博士と私が描いているのは、非常に大きなビジョンです。
だからこそ、目先の実務や個別の利害だけに議論を終始させるべきではありません。
日本側として果たすべき役割は明確です。
論点を整理し、成果と進捗を取りまとめ、必要な意思決定事項を明確にした上で、イ・ジェホン博士と力を合わせながら、日韓の文化交流を活かしクロスカルチャーで融合します。
しかし、この理念を共有し、ワンチームとして同じ方向へ進むことができれば、私たちは歴史的な挑戦の当事者となることができます。
最後に
21世紀は、軍事力や経済力だけで世界を動かす時代ではありません。
文化の力が、新たな世界秩序を形づくる時代です。
韓国単独のK-Cultureではなく、日本と韓国が歴史的・文化的共通基盤を生かし、「East Asia Culture」という新たな価値を世界へ発信すること。
それこそが、世界秩序の転換期における大きな成長機会であり、C4が挑戦する使命です。
私は、このビジョンを皆様と共有し、同じ未来を見つめながら、ともに歩んでいきたいと心から願っています。
2026年7月吉日 裵 晙映